OCSMP資格試験概要
OCSMP ( OMG Certified System Modeling Professional)は、OMGとINCOSEが共同開発したシステムモデリング言語 ー SysML ーを用いてシステム設計を行なう者や、設計に関連する専門家のスキルレベルを確認するための認定プログラムです。![]() | |
OCSMP体系図 |
欧米では、このような認定プログラムは、技術者の雇用の際の指標にしたり、内部のインターナル・サーティフィケーション(*)に多く用いられ、企業のテクノロジー・バイタリティ(技術活力)の維持向上の手段として使用されています。
- (*)注: インターナル・サーティフィケーションは、社内の専門家のスキルレベルを評価するプログラムです。 従来は各社内で個別に開発されて来ていましたが、最近ではアウトソーシング化が進んで来ており、外部の専門家組織(例:OMGやINCOSE等)の開発する認定プログラムを利用するケースが増えて来ています。)
OCSMPの4つのレベル
OCSMPは、大きく別けて、モデルビルダーとモデルユーザーの2つのグループに分けられ、さらに前者のモデルビルダーは3つのレベルに別けられており、モデルユーザーと合わせ全体で4つのレベルから構成されます。以下にそれぞれのレベルの想定される役割責務と資格試験の主要な焦点を概説します。
モデルビルダー
モデルビルダーは、その名前の示す通り、システムモデルを作成する人、システム設計者を想定しています。- モデルビルダー基礎(ファンダメンタル)
- 小さなシステム、複雑度の低いシステムモデリングを行なう設計者を想定しています。SysMLの基本的な機能を用いて正確なモデリングが行なえるスキルを持つかをチェックする問題群から構成されています。
- モデルビルダー中級(インターミディエート)
- 一般のシステムのモデリングを行なう設計者を想定しています。SysMLのすべてのフィーチャから出題されます。SysMLモデリングそのものの試験としては最高レベルとなります。
- モデルビルダー上級(アドバンスト)
- System Of Systemなどの大規模なシステムを構築する組織のMBSEやSysMLモデリングなどを維持発展させる企業文化、環境に責任を持つ役割の人間を想定しています。出題分野としては、SysMLモデリングそのものではなく、その上位分野や隣接する関連分野から出題されます。以下に、焦点となる分野を列記します。
- メタモデリング、モデルライブラリー、ビューポイントなどの上位概念
- 他のモデリング言語 ー UML、MARTE、UPDM、Modelica等 ー とのコラボレーション、統合
- SysMLモデリング・ツールと、他のエンジニアリング/マネジメント・ツールとの、ツール連携、ツール統合の問題
- モデリング品質のアセスメントを含むモデリング方法論とその実践に関する問題
モデルユーザー
モデルユーザーは、システム設計者に情報を提供したり、またモデル図を利用する他分野の専門家を想定しています(例: ハードウェア/ソフトウェアの設計者、応用物理、応用化学、社会学等の分野の専門家)。出題傾向は、システムのモデル図を正確に読み取る能力があるかをチェックする問題群から構成されています。モデルビルダー受験の前提資格となります。
以下に、出題される範囲を列記します。
- 要件モデル
- 要件図から要件を読み取る
- ユースケース図からシステムの機能を読み取る
- システム構成のモデル
- パッケージ図からモデル構造を読み取る
- ブロック図からシステム構成を読み取る
- ブロック定義図、パラメトリック図からシステム制約を読み取る
- システム振舞いモデル
- アクティビティ図からフローベースの振舞いを読み取る
- シーケンス図からメッセージベースの振舞いを読み取る
- ステートマシン図からイベントベースの振舞いを読み取る
- 図横断的なコンストラクツ、その他の概念
参考: OMG OCSMPページ(英文)
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