プロマネBlog
BPMとQCサークル
土曜日の午後、ボストンのホテルの部屋の窓からヨーロッパ風の作りの市街を見下しながら仕事をしておりますと、いろいろな雑念が湧いてきます。
その一つがQCサークルの思い出です。
筆者は、80年代に企業に就職し、そこでTQC(統合的品質管理)に基づきQCサークル活動をしたことがあります。と言うと、聞こえが良いのですが、その実、多忙な先輩達が皆QC活動に関わることを嫌がり、当時新入社員で暇そうにしていた筆者にお鉢が廻ってきただけのことでした。
QCサークルは、70年代位までは、工場などの片隅で、比較的身近なテーマを中心に、ボトムアップ的な創意工夫や相互啓発を生み出す家族的なチームワーク活動でした。そして、日本製品の品質向上に貢献してきました。
ところが、80年代に入り、TQCと言う言葉が流行り出し、活動目標もトップダウンに決まって行き、現場の人間にとっては必ずしも意欲がわかない分野が選ばれるようになりました。(当時、筆者は研究所勤務でしたが、テーマは「市場に受入れられる技術の開発?」か何かでしたが、何から手をつけてよいか解らず、また、半年ぐらいで成果が数値化されて判別出来るものが要求されましたので、取敢ず何か適当に見繕って処理した記憶があります。なお当時は、筆者がいた職場では、TQCは蛇蝎のように忌み嫌われる言葉でした。)
このTQCを取り巻く状況は、筆者の職場だけの状態ではなく、一般的なものでした。
80年年代のTQCは、従来の無邪気な(失礼)QC活動から自主的な自己啓発や学習活動を奪い去り、経営者の恣意的な目標管理の手段に成り下がってしまい、全体的に不調であったようです。
また、タイミング的にも、製品の品質向上には工程管理に焦点を当てるやり方では限界に達してきており、より設計に重点を置き、品質を作り込むやり方にシフトし始めていた頃でした。
今回の出張目的の一つは米国でのBPMの使用状況の調査でしたが、筆者が一つ驚いたことは、BPMが予想以上にシックスシグマの現場で使われていることです。
シックスシグマは、ご存知の通り日本の統計的品質改善活動と使用する技術は殆ど同じですが、TQCとはマネジメント・アプローチが完全に異なります。シックスシグマ活動に熱心な米国企業では、マネージャ達に、シックスシグマ教育を受けさせています。(筆者も以前勤めていた外資系会社のマネジメント教育で、トレーニングを受けましたが、その課程で、新入社員時代に習ったQC7つ道具などと再会しました。)
何らかの形で物作りに携わる人間たちは、皆、自然と成果物の品質を上げたいと言う欲求が働くのですが、様々な障害・事由のために、その欲求が素直に行動に反映されるとは限りません。
筆者は元々コンピュータ屋であり(正確には、もっと虐げられているネットワーク屋ですが)、BPMと言うと、どうしてもコンピュータシステムよりに見てしまう傾向があります。
今回の出張では、BPMの幅広い適用分野と、アメリカ企業の熱心なシックスシグマ活動に、正直驚かされました。
現在、こちらの現場で問題になっていることは、BPMのスキルの不足です。シックスシグマ活動に携わる人達に必ずしもBPMの正確な知識が備わっていないことが、大きな障害になっています。
OMGは一昨年、BPMIと合併し、BPMの標準化活動と共に普及にも力を入れています。
BPMに関与する人間は、システム屋だけではなく、大部分は、UMLなど火星人の言葉と感じてしまう人たちであり、OMGでは、システム屋とは別個のスキルセットを設計しています。